「チェンバロの日!2018」まとめ

チェンバロの日!2018 チラシ表.pdf
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チェンバロの日!2018 チラシ裏.pdf
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演奏会

「フランソワ・クープランの美」

【日時】5月19日(土)15:00-16:00

【会場】Aホール(2F)

【曲目】

F.Couperin :クラヴサン曲集第1巻第5Ordreより

F.Couperin :クラヴサン曲集第4巻第21Ordre

 

【演奏者】

有田千代子

桐朋学園高校音楽科ピアノ専攻を経て桐朋学園大学ピアノ専攻、副科でチェンバロを

学び1972年卒業。1973年ベルギーのモンス王立音楽院に入学、1974年に栄誉賞つきプルミエ・プリを得て卒業。1977年には最高栄誉賞つきハイ・ディプロマを授与される。1978年から2015年まで国立音楽大学非常勤講師。1978年「オトテール・アンサンブル」を結成。同年リリースした「フランス・バロックの室内楽」で「芸術祭優秀賞」を受賞。他、J.S.バッハ「バッハとの対話」、ラモ「クラヴサン・コンセール」やJ.S.バッハ「音楽の捧げもの」等をはじめとして数多くのレコーディングに参加。

現在、チェンバロ、フォルテピアノ、だけでなく、ピアノの活動をロマン派や近代、

現代までの作品と同時代の楽器を用いてコンサートやレコーディングを行っている。現職:桐朋学園音大学音楽楽部古楽器専攻特任教授

「J.S.バッハに見る、フランス様式の作品」

 

【日時】5月19日(土)17:00-18:00

【会場】Bホール(2F)

【曲目】

G.ベーム 組曲、

F.クープラン「田園詩」、

J.S.バッハ パルティータ第4番

 

【演奏者】石川陽子

武蔵野音楽大学大学院音楽研究科ピアノ専攻修了。東京藝術大学大学院音楽研究科チェンバロ専攻修了。ピアノを石川登志子、上原興隆、前田千絵、松野眞理子、中根伸也、チェンバロを岩淵恵美子、大塚直哉の各氏に師事。よんでん文化振興財団より奨学援助を受ける。ソロ、アンサンブル、通奏低音奏者として活動。「チェンバロのある部屋」主宰、2015年高松市文化奨励賞(新人部門)受賞。古楽アンサンブル Reine メンバー。香川短期大学非常勤講師。四国学院大学メサイア合唱団伴奏者。日本ピアノ教育連盟、全日本ピアノ指導者協会、日本チェンバロ協会会員。e-onkyo にて日本オーディオ協会より「輝くチェンバロ YOKO ISHIKAWA」配信中。

「オルドルに描かれた女性たち」~ダジャンクールとフランソワ・クープランの作品より~

 

【日時】5月20日(日)14:30-15:30

【会場】Aホール(2F)

【曲目】

François d'Agincour :クラヴサン曲集 第一オルドルより

François Couperin:クラヴサン曲集 第13オルドルより 「フランスのフォリアまたはドミノ」

 

【演奏者】小川園加
岡山県出身。桐朋学園音楽学部演奏学科ピアノ専攻卒業。在学中より「古楽実習」の授業を通してチェンバロに興味を抱き、同校古楽器研究科にてチェンバロを学び始める。2007年より渡欧し、ストラスブール音楽院研究課程、バーゼル・スコラカントルム修士課程、フライブルク音楽大学アドバンスト・スタディ過程にてチェンバロを専攻する。2014年末に帰国。岡山に在住し、演奏活動、バロック音楽に関するレクチャーなどを行う。音楽教室「テルツァ・プラティカ」主宰。

チェンバロを有田千代子、アリーン・ジルべライヒ、アンドレア ・マルコン、ロバート・ ヒル各氏に師事。アンドレアス・シュタイアー、ボブ・ファン・アスペレン、クリストフ・ルセ 各氏のマスタークラスを受講。また、とりわけフランスの作品においてフランソワーズ・ランジュレ女史の薫陶を受ける。

講演

5月19日(日)13:00〜14:00

クラヴサンへの影響 ~リュートによるノン・ムジュレとスティル・ブリゼ~

 

【講師】水戸茂雄

 

【内容】

“クラヴサンへの影響 ~リュートによるノン・ムジュレとスティル・ブリゼ~”と題して、リュートのためのプレリュード・ノン・ムジュレ(Prélude non mesuré拍子のないプレリュード)とはどの様なものなのか、小節線のない五線(タブラチュアは六線)に旗のある音符、あるいは旗のない音符が散りばめられた楽譜、これらをどう弾けば良いのか、実際のタブラチュア譜と五線譜を見ながら、そのヒントになるものを提示して行きます。またスティル・ブリゼ(Style brisé)というリュート特有の和音の分散奏法がありますが、このスティル・ブリゼを学ぶことによってプレリュード・ノン・ムジュレがよりスムーズに演奏できると思います。これらの例を提示しながら話を進めて行きたいと思います。

 

【プロフィール】

水戸茂雄  MITO Shigeo  リュート、ビウエラ

スペイン国立オスカル・エスプラ音楽院,マドリッド王立音楽院に学ぶ。ホセ・ミゲル・モレノ,ホプキンソン・スミス,ヴィルヘム・R・タルスマ氏に師事。『リュート教則本』,『バッハ リュート作品集』の著書やリュート、ビウエラ、テオルボなどのCD多数。現在,海外や日本でリュートの第一人者として活動。N&S古楽研究会主宰、日本ビウエラ協会理事、東京音楽大学非常勤講師。

5月20日(日)13:00〜14:00 

表題付き描写音楽の思想的背景を探る

〜美学思想史の観点から〜

 

【講師】小穴晶子

 

【内容】

F.クープランの曲には題名のついたものが多くあります。題名のついた曲の例はクープランだけでなくM.マレのヴィオール曲にもあります。また、J.Ph.ラモーの「クラヴサン曲集」でもこの伝統が引き継がれています。このような実践の背後にある美学思想「芸術は自然の模倣である」について考察します。この考えは18世紀フランスの思想界の多くの人の認める権威として力を持っていました。それは何故なのか。この思想の美学史における起源をたどり、また、この思想が広く定着することを支えた社会的な状況として、絶対王政下における芸術奨励政策、イエズス会の役割をも考えます。

 

【プロフィール】

 東京大学文学部(美学・藝術学専攻)卒業、同大学院博士課程修了。東京大学美学藝術学研究室助手を経て、1993年に多摩美術大学専任講師。1999年に同大学教授となり現在に至る。専門は18世紀フランスの音楽美学。18世紀後半のフランスの音楽思想の転換点を示すM.P.G. de シャバノンの音楽論の研究を出発点とし、バロックから古典派へと向かう音楽思想の展開の解明をテーマとしている。フランスとドイツの思想の影響関係にも関心を広げ、シャバノンとC.G.ケルナー及びJ.A.ヒラーとの関係を考察した論文もある。著書としては、『バロックの魅力』(東信堂、2007年)。『なぜ人は美を求めるのか』(ナカニシヤ出版、2008年)。『バロック音楽を読み解く252のキーワード』(シルヴィ・ブイスー著、小穴晶子訳、音楽之友社、2012年)。

 

5月20日(日)16:00-17:00 

クープラン時代のパリの地図から見る音楽事情

 

【講師】関根 敏子

 

【内容】

フランソワ・クープランはどこに住んでいたの? オルガンを弾いていたサン・ジェルヴェ教会はどこにあるの? パリのノートルダム大聖堂から北の方へセーヌ川を渡ると、市役所があり、その裏手に、クープランが少年時代を過ごした建物や教会があります。教会は今でもあり、近くにはパリの古い城壁の一部もあります。また、教会からルーブル宮殿(現美術館)はそれほど遠くありません。当時のパリの地図を見ながら、クープランの足跡をたどっていきます。

 

【プロフィール】音楽学、音楽評論家

桐朋学園大学音楽学部作曲理論学科(音楽学)卒業後、フランス政府給費留学生としてパリ国立高等音楽院、パリ大学院に学ぶ。また、チェンバロをスコット・ロス、トン・コープマン他に師事。帰国後桐朋学園大学・早稲田大学・立教大学・昭和音楽大学等を経て現在東洋大学講師。フォンス・フローリス古楽院のフランス・バロック音楽講座担当。音楽文献目録委員会事務局長。NHK-FM「古楽のたのしみ」のパーソナリティー。また新聞雑誌の評論でも活躍。主要著訳書:『古楽演奏の現在』(監修執筆)、ジャン・ルソー著『ヴィオル概論』(共訳、付録解説)、アンガス・ヘリオット著『カストラートの世界』(共訳)、フランス古地図音楽散歩(之潮、連載中)他多数。

 

 

 

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